4年の辻永です。2024年3月17〜19日に第71回情報処理学会エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会に参加してきたので、参加記をまとめます。

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発表内容

情報処理学会エンタテインメントコンピューティングにて、「LTooL: 思い立った時にLTができるプレゼンテーションツールの開発と評価」というタイトルで口頭発表を行いました。LTooLは、作業メモからスライドを生成することで資料作成の時間を短縮するプレゼンテーションツールです。研究ではツールの開発と評価実験を行い、その結果を発表しました。

発表では以下の質問・コメントを頂きました.

  • LTooLを利用することで、作業メモが集約的になってしまうのではないか?
  • LTはトレイラーだと思うので、全開示するのでなく、あえて興味を引くように限定情報開示する仕組みがあってもいいのではないか?
  • プレゼンツールではなくよくできたカンペツールと考えた方がしっくりきます。 

学会に参加した感想

今回EC研究会の学会発表に参加して、自身の研究の本質的なところで議論を行うことができました。私自身3月で卒業するため、研究としては終わりになりますが、研究で開発を行ったLTooLは、Webサービスとして開発を続けて運用していきたいという意欲が湧きました。

発表を聴講して面白いと思ったのは以下の研究です

Landscape Wander: 現実世界の写真を2Dアクションゲームのフィールドとして利用する手法とその応用

著者

川口 竜斉(関西学院大学), 平野 砂峰旅(京都精華大学), 片寄 晴弘(関西学院大学)

概要

ゲームのフィールドでキャラクターが動く足場を画像から自動生成するAPI “Landscape Wander”を開発

感想

  • 多くのゲームで必要となる足場の生成がAPIで自動化できるのは、開発のコストを減らすことができて良いと思いました。
  • 足場を作りたくてゲームを作る人はほとんどいないと思うので、本質的な部分に力を入れられるようになるというのがとてもよかったです。
  • APIを実装してからそれを利用したコンテンツを制作しているのがとてもよかったです。 ゲームの1つの機能を抽出してAPIを実装するという順番がとても良くて見習いたいと思いました。

AR要素の同調的提示を用いた重層的公共空間の検討

著者

Wang Hanlin(東京大学),吉田 貴寿(慶應義塾大学),稲見 昌彦(東京大学)

概要

ARで見る世界にレイヤーという概念を与え、同一レイヤーで見える世界を合わせるスマホアプリで、マイクをオンにして話した内容をテキストとして自身のレイヤーの見ている場所に配置することができる。

感想               

体験したデモではレイヤーの設定に特に意味がありませんでしたが、人の属性によってレイヤーを分けたりするなど、レイヤーに意味を持たせることで様々な方向に広げられる研究だなと思い興味深かったです。