4年の乾です。2024年3月17〜19日に第71回情報処理学会エンタテインメントコンピューティング(EC)研究会に参加してきたので、参加記をまとめます。

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発表内容

「眠眠ガチャ:ガチャを活用した睡眠意欲向上アプリの開発」というテーマで、課金ガチャの依存性を活用して、睡眠が多いほどガチャを回せる睡眠管理アプリを開発した。本研究はPokemon sleepがリリースされる前から研究していたものだ。眠眠ガチャは睡眠時間管理アプリとガチャアプリで構成し、睡眠時間管理アプリは iOS アプリケーションとして、ガチャアプリは Web アプリケーションとして実装した。また、被験者 4 名に対して実施した評価実験の結果、操作のシンプルさとキャラクターへの愛着という要素が睡眠意欲向上アプリにおいて重要であるという結果を得た。これらはアプリの設計においてトレードオフの関係となる。

発表では以下の質問・コメントを頂きました.

  • 射倖心を煽るほうが睡眠促進につながるのではないか。
  • 人口が多いまちと人口が少ないまちのレアリティを逆にしたほうがいいのではないか。その方が見たことのないまちが出てきて嬉しいかも。

学会に参加した感想

自分の発表に関しては、機材トラブルはあったが聴講者が飽きないような伝え方で発表することは意識できたと思う。他の発表は非常に興味深い研究が多かった。特に、研究を通して最終的にこうしたい、と目指すものが明確だった研究は話が入ってきやすいように感じた。

発表を聴講して面白いと思ったのは以下の研究です

レシピに基づく漫才台本自動生成

著者

下崎 安紋・山本 淳也・梅谷 智弘・北村 達也・灘本 明代(甲南大学)

感想

漫才チャットシステムを開発。料理を題材にした漫才を自動生成する。つかみと本ネタとオチの構成になっている。AIが考えた漫才がしっかり笑えるレベルで面白いことに驚いた。「漫才の理解度は漫才の面白さに影響している」という実験結果に共感した。漫才の題材は誰にでもわかりやすい方が共感を持てて笑えるというのはその通りで、同じことを芸人が言及していたことを見たことがある。

初心者マークを取り付けたロボットの失敗がユーザの許容度や再利用意欲に与える影響の調査

著者

田中 舜也・高橋 治輝・松村 耕平(立命館大学)

感想               

ロボットに初心者マークを取り付けるという面白い発想が面白いと思った。車のイメージが強い初心者マークではあるが、自分は人間ではないロボットにこそ初心者マークが合うと思った。

プレイマットのパターン生成支援ツールの評価

著者

山本 さりい(慶應義塾大学), 王 家均(国立陽明交通大学), 詹 力韋(国立陽明交通大学), 杉浦 裕太(慶應義塾大学)

感想

子どもを対象にした研究で、頭を使う知育要素が強くて育児に役立ちそうだと思った。