4年の藤谷です。2024年3月6〜8日に第28回一般社団法人情報処理学会シンポジウムインタラクション2024に参加してきたので、参加記をまとめます。

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発表内容

ウェアラブルデバイスは身につけるだけでヘルスケアがおこなえる.しかし,ウェアラブルデバイスの見た目についてはデザインが固定化され,衣服によっては浮いてしまうという問題がある.本研究では,ヘルスケア機能を搭載したアクセサリとして,フィンガーブレスレット型疲労通知デバイスを開発する.プロトタイプでは,脈拍数を心拍数に変換し,心拍数が基準値を下回ったときにLEDを点灯させ,疲労を通知することができた.また, Jadwelryがアクセサリとして身につけられるデバイスであるか,デザインの種類を増やせるものであるか明らかにするため,評価実験をおこなった.その結果,Jadwelryは一部見た目が悪い箇所があり装着しにくいという課題があるが,日常生活で使用できるデバイスであり,デザインの種類を増やせるアクセサリであるという評価を得ることが出来た.

発表では以下のコメントを頂きました.

  • 発想が面白い、こういうデバイスがあるといい
  • 現状だと手が動かしにくくなるので、手首の裏側のの機器を無くす(手首の表側に機器を設置する)形になればよいと感じた
  • 他のアクセサリの形状でも使えるといい
  • 家ならではのもの(家具など)と連動させて何か起こる仕組みがあると、外での作業のみならず家での作業時でもデバイスを身につける意味ができると感じた

また、発表を聴講し、特に印象に残ったのは以下の発表です

ウェルビーイング価値観を可視化・共有するツールの活用事例1

著者

横山 実紀(NTT社会情報研究所),村田 藍子(NTTコミュニケーション科学基礎研究所),渡邊 淳司(NTT社会情報研究所/NTTコミュニケーション科学基礎研究所)

概要

自分にとって重要な価値であるウェルビーイング価値観を自覚し、他者と共有できるツールの制作とワークの実施を行った。ツールとして「わたしたちのウェルビーイングカード」とその一つの実施形態としてワークショップを提案し、実施例と結果を報告した。ワークショップを行った結果、他者と共有することで自己理解が深まり、カードがあることで言語化が促進され、他者の人物イメージの解像度も上がったことが分かった。

感想

「わたしたちのウェルビーイングカード」は並べられたカードから自分の大切な価値観に合うものを三つ選択し、その理由を考えてグループで共有するものだった。 実際にその場で聴講していたほかの人と一緒にワークを行ったが、自分と同じカードを選択した人が全く別の視点で選択していたり、反対に全く違うカードを選択した人が自分と似たような価値観でそのカードを選択したことがわかり興味深かった。その場で集まった全く知らない人相手でも、このワークを通じて少し人となりを理解できることから、オリエンテーション時などに他者理解を深めるためのワークとして適していると感じた。

配色の可視化と配色技法の推定によるイラスト制作支援ツールの開発

著者

江馬 龍之介,横山 大作(明治大)

概要

イラスト制作初心者は配色に慣れていないため、適切な配色を選択することが難しい。そのため、色を塗っている最中に次の配色を可視化して提示することで支援する。配色のバランスが取れているイラストに対し提案システムを試したところ、正しく使用されている色の抽出がおこなわれ、6割のイラストに対して推定された配色が納得できる結果になった。

感想               

自由に色を塗っていく中で現在の配色の抽出がおこなわれ、そこからおススメの配色が提案される仕組みが面白いと感じた。最大6色まで可能なので、ある程度自分が入れたい色で塗ったうえでより良く見える色を提案してくれるシステムは、初心者のモチベーションを削ることなく支援を行えるツールになるのではないかと感じた。普通に欲しい。